エヴァンゲリオンの「魂」と「肉体」

今回は私のようにエヴァをなんとなく見始めた人はなかなか理解しにくいことを解説していきます。

それは、魂と肉体のお話。

エヴァの世界での「魂と肉体」

エヴァの設定では、魂と肉体は別々のものとされています。

デカルトなどの物心二元論に近い考え方です。

魂と肉体は分離させることができるというのです。

肉体には魂が宿り、人間の魂が我々のような肉体に宿ることで初めて「人間」という生命体になります。

肉体はただのの入れ物なのです。

魂が肉体という名のロボットを操る、そんな状態がエヴァでの設定。

ガフの部屋

たまに出てくるガフの部屋という言葉。Wikipediaによると

ガフの部屋ガフのへや)とは、ヘブライ人の伝説にある、神の館にある魂の住む部屋のこと。

引用:Wikipedia

たまに出てくる「ガフの部屋」は、魂の原点のような場所で、魂が生まれ、そして魂が還る場所です。

これはアダム、リリスがそれぞれひとつずつ持っているもので、アダムのガフの部屋で魂を授けられた生命が使徒、リリスのガフの部屋で魂を授けられた生命が人間(リリン)です。

アダムとリリスについての解説はこちら↓

物語のすべての始まりであるアダムとリリス

2020年9月4日

ガフの部屋で肉体に魂が宿され、この世界に降り立つことで一つの生命になります。

つまり、ガフの部屋からがなくなってしまうと、新たな生命は誕生することができなくなります

ガフの扉

生命はみな、「生きたい」「他と隔てられた個でありたい」という欲求であるリビドー・生への欲求を持ちます。

反対に、生命にはみな、「無に帰したい」「一つになりたい」という欲求デストルドー・死への欲求)があります。

魂のデストルドーとは、ガフの部屋に回帰したい欲求のことであり、デストルドーがリビドーに勝った時、魂は自らの原点である「ガフの部屋」に回帰します。

その時に世界とガフの部屋を繋ぎ、魂を導くのが「ガフの扉」。

肉体の原点「L・C・L」

魂の原点となるのは「ガフの部屋」でしたが、肉体の原点となるのはLCLという液体。LCLはリリスの体液であり、生命の源になるもの(生命のスープ)です。

肉体がLCLに還元されずに個々の形を保っていられるのは、肉体の生への欲求・リビドーによって支えられているからです。

この時、肉体がほかの個と一体にならずに自分と他とを区切っているものが「A・Tフィールド」。

魂のところで書き損ねましたが、実は魂にもATフィールドは存在します。

魂が個でありたいという欲求がATフィールドを作り、これが崩壊したとき、魂はガフの部屋へ、肉体はLCLへと帰っていくのです。

複製されていく肉体

アニメ版や新劇場版「破」で描写されている通り、肉体は複製が可能です。要するにクローンと同じ意味。

しかし、いくら肉体を複製しようとも、ガフの部屋で魂を授からないことには本物の「生命」にはなれません。

アニメ版でダミープラグ用に複製された綾波レイのクローンも、新劇場版で綾波ユイの情報だけを引き継いだ綾波シリーズも、赤木リツコや渚カヲルの発言から、本来入るべき魂が肉体にないことがわかります。

新劇場版での綾波シリーズには「リリス」の魂の模造品が入っているので、人間として活動はできても本当の魂ではなのです。

すべては人類補完計画へ

個々の魂と肉体を持ち、他との絶対的な境界(ATフィールド)を持つ人間を一度原点まで回帰させ、生命の実と知恵の実を持った1つの新たな完全なる生命体、すなわち「神」に進化させようとする人類補完計画につながっていくのです。

 

人類補完計画の詳細は、また書きたくなったときに書きま~す。それでは、今回はこの辺で~👋

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